SLOW ART CENTER NAGOYA

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COLUMN

コラム

第3回「SLOW ART INTERVIEW」(スローアートインタビュー)
2024.09.04

「SLOW ART INTERVIEW」(スローアートインタビュー)ではスローアートセンター名古屋の企画やイベントにつながりをもつ様々な方をご紹介。
今回は6/29-7/13にSLOW ART LABで開催された展覧会「baked emotions-感情を共有する実験室-」にて作品を展示いただいた野間陽代里さんにお話をお伺いします!

1.今回スローアートセンター で行われた展示「baked emotions-感情を共有する実験室-」の制作コンセプト・具体的な内容を教えてください!
言葉で言い表すことが難しい”感情”に着目し、食を通じたコミュニケーションやメディアとして「食べ物」の可能性を研究していました。
今回は感情を焼菓子として焼いたものを「baked emotisons」として作品にしていましたが、展示を見にきていただいた方も参加できるようなスペースを設け、その方々のエピソードとそれに伴う感情に応じた「baked emotions」も制作し、随時展示を更新していくプロジェクトも行っていました。

2.卒業制作時より、今回のようにお菓子を作品に落とし込んでいるとのことですが、作品制作に至ったきっかけはなんですか?
もともと製菓コースのある高校に通っていたので、お菓子作りには馴染み深かったのですが、当時から味や食感などの探求よりも、見た目の表現の方に興味を持っていました。そんな中、旅先の韓国で訪れたビジュアルにこだわったスイーツを提供しているお店に衝撃を受け、食べ物を表現方法の一つのメディアとして扱えるようになりたいと思うようになりました。それをきっかけに、スイーツや食べ物の可能性を探ることを含め、作品に落とし込んでいけるよう研究をしていました。

3.作品制作をする過程で、転換期となった出来事や印象的な経験はありますか?
コンセプトでもある「感情」は、一貫された指数や境界線がなく、人それぞれ感じ方やいだき方が異なるため、作品として表現する際にとても悩みました。
その違いを作者が勝手に判断してしまうと、偏見から生まれた作品になると考えていたため、「それぞれ違う」という点を尊重するために、感情の有無やその大きさなどは本人の認識に委ね、記録してもらうことで、なるべく「その人の感情」を保ち表現できる手法を取り入れました。

4.今回の企画を経験して、ご自身の展望としてこれからどのようなことをしていきたいですか?
 または、SLOW ART CENTER NAGOYAでこれからやってみたいことはありますか?
今回SLOW ART LABで展示の一環として行ったワークショップでは、本作品を実際に食べてもらうことができる機会だったので、よりコンセプトや作品の趣旨を理解していただけたのではないかと感じています。今回は少ない人数でのワークショップでしたが、一緒に味わうことでまた違ったコミュニケーションが生まれる面白さも発見することが出来たので、今までは展示のみだった部分を、さらに体験していただけるような方法を模索していきたいです。

SACN スタッフ所感
情勢変化などにより価値観の多様化が進む今、感情や感性を共有することの難しさを日々感じる中で、曖昧だからこそ分かち合える世界戦もあるのではと感じています。
スローアートセンターナゴヤは「地球x地域x個人のWell-bekig」をコンセプトに、人々の感性を開くような場でありたいという思いがあります。
野間さんの展示を通して、メディアとしての「食べ物」という視点に触れ、私たちがまだ知らない他者とのコミュニケーションの方法に一歩近づいたような気がしました。

今回の展覧会で制作された作品はSNSのアーカイブよりご覧いただけます。
「baked emotions-感情を共有する実験室-」Instagramのプロフィールはこちら↓
https://www.instagram.com/bakedemotions_lab/

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